海之まりん的日常

江戸川乱歩全集3(つづき1)

『孤島の鬼』に同時収録されてたものです。

『木馬は廻る』
回転木馬の木馬館のラッパ吹き・格二郎は、人生に疲れ、日々に辟易している。そんな彼の心を唯一慰めてくれるのが、同じく木馬館で切符切りをしているお冬。格二郎は、年甲斐もなく、若い娘に入れあげる自分を恥じてはいるが……、という感じの、とても短いお話。

いわゆる『負け組』な格二郎の閉塞感漂いまくりなダルいお話。
解説には、お冬とのほのぼのとした交流が云々とありましたが、まりんは、お話が終わったそのあとでこのふたりにとんでもない災厄が降りかかってくるのではないか(たとえば、スリの男がナイフかなんか持ってお金を取りもどしに来るんじゃないかとかさ)と思い、いや~な胸騒ぎにとらわれました。


『陰獣』
探偵小説家の『私』は、博物館で実業家・小山田六郎氏の夫人・静子と出会う。
静子は、若く、美しい。心引かれるまま、手紙のやり取りをしているうちに、静子から『私』はある驚くべき相談を受ける。
静子には、結婚する以前に交際していた平田一郎という男がいた。やがて、平田とは別れ、小山田夫人となった静子の元に平田一郎からの脅迫状が届く。平田一郎は、人気探偵小説家・大江春泥となり、その猟奇的な小説の内容そのままに、小山田夫人となった静子をつけねらい、復讐の機会を窺っているというのである。
静子はおびえ、春泥が自宅の屋根裏で自分の行動を逐一見張っているのだと訴えた。
『私』は、請われるままに調査を始めるが、その矢先、静子の夫・小山田六郎氏が変死を遂げて……。

有名なお話なのでお読みになった方も多いかもしれません。
つるっ、と書いてあるのですが、よくよく考えたら激しい内容だよね。
着物の襟足から、ちらっ、とのぞくみみず腫れというあたりは、なんともいえず、エロティックでドキドキしてしまいます。しかし、実際、鞭持ち出されて「ぶって」って言われたら、うーん、かなりコワい(でも、その場になったら、やっぱり、ぶっちゃうかもな。ちなみに、ぶたれたくはない。痛いのはイヤ)。
まりんは、以前、ドラマか何かで見たのですが、そのドラマでは、結末は「おまえが犯人だ!」と断定的なノリでした。
本編では、ラストはかなり曖昧です。犯人が、そうなのか、そうでないのかよくわからない状況で終わっている。
この曖昧さが余韻があっていいと言う人と、こんな曖昧なのは探偵小説としてどーよ、と言う人とで、世の中は賛否両論だったみたい。
探偵小説として評価するのか、それとも、探偵小説の形を借りているだけで、テーマは女の怖さだったのか、あるいは、もっとぶっちゃけ、ちょっとSM書いてみたかっただけなのか。受け取り方によって考え方は変わるとも思うんですが、まあ、そのあたりも含めてびみょ~なお話ですかね。
中学生くらいの時に読んでたら、けっこう衝撃あって、影響受けてたかも。
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by marine-umino | 2004-10-13 06:28 | 最近読んだ本
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